- 高血圧症とは
何らかの原因で血圧が基準値より高くなった状態(最高血圧140mmHg以上、または最低血圧が90mmHg以上)をいいます。ほとんどの場合自覚症状はありませんが、頭痛や肩凝り、めまいなどがおこることもあります。高血圧が続くと、全身の血管で動脈硬化が進み、突然、脳卒中や心臓発作を起こすこともあるため、「サイレントキラー」と呼ばれるほどです。
- 原因
高血圧の9割は原因が明らかでない本態性高血圧です。
- 治療
生活習慣の修正を基本に、リスクの度合いによって薬物療法が加わります。
食事や嗜好品を中心に生活習慣を整えることは重要です。
※食塩と血圧
食塩と血圧は関係があるという結果が出ています。減塩には動脈の柔軟性を高める、腎機能を守る、降圧薬の効果を高めるなどの利点が報告されています。
- 脂質異常症とは
血液中の中性脂肪(トリグリセライド)やLDLコレステロール(悪玉コレステロール)が基準値より高い、またはHDLコレステロール(善玉コレステロール)が基準値より低い状態のことをいいます。
- 原因
さまざまな遺伝的要素や体質、食習慣、運動不足、肥満などが背景にあることが多いようです。
- 放っておくと
とくにLDLコレステロール値が高いと、動脈硬化が進み、脳梗塞、心筋梗塞など血管系の病気が起きやすくなり、中性脂肪値が高いと急性膵炎を起こすこともあります。
- 治療
動脈硬化を進めないようにすることが重要です。食事や運動を含んだライフスタイルの改善を行い、動脈硬化による病気を起こすリスクが高いときには薬物療法が追加されます。
- 高尿酸血症とは
血液中に尿酸が多くなった状態をいいます。尿酸塩(尿酸の結晶)が関節などにたまると激しい痛みを伴う炎症発作(「痛風」発作)を起こすことがあります。痛風は9割以上が成人男性に発症しますが、痛風の背景には持続する高尿酸血症があることから、高尿酸血漿の定義は血清尿酸値>7.0mg/dL(年齢・性別を問わず)と定められています。
- 原因
血液中に尿酸が増える原因は、①尿酸が体内で多く産生される、②尿酸の排泄が悪い、③ ①と②の両方、が考えられています。
- 放っておくと
尿酸値が高い人は、痛風だけでなく様々な病気を合併すると考えられます。(脳血管障害、心疾患、腎障害(痛風腎)、尿路結石、痛風結節)
- 治療
治療は、薬物でのコントロールが中心となりますが、生活習慣の修正も大切です。
- 糖尿病とは
現在、日本人の40歳以上の3人に1人以上が糖尿病(糖尿病予備軍)と推測されています。初期の段階ではほとんど無症状のため、血液検査をして初めて糖尿病と診断されることが多いです。
- 原因
すい臓から分泌される血糖を下げる働きを持つ「インスリン」というホルモンの不足や、その作用不足で血液中の糖の濃度が高くなった状態(高血糖)が続く病気です。
- 放っておくと
糖尿病の進行により、3つの大きな合併症(網膜症・腎症・神経障害)が知られており、網膜症による失明や、腎不全、心筋梗塞や脳卒中など、生活の質(QOL)を低下させる病気にまで進展することがあるので注意が必要です。
- 治療
糖尿病初期の段階では、食事療法と運動療法が主になります。初期の段階であれば、血糖が改善することも少なくありません。しかし、進行すると薬物療法が必要となります。血糖値を改善させて合併症を防ぎ、健康な人と変わらない活動的な毎日を続けられるように治療を継続しましょう。